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特急引退前後の6300系

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 今からおよそ3年前の2010年2月28日、阪急京都線の6300系車両が定期特急列車の運用から撤退しました。1975年の登場からおよそ35年の活躍でした。2800系の後継として登場した同線の花形形式が遂に置き換えと言うこともあり、沿線でも多くのファンが見送りました。特急として撤退してからの現在では快速特急「京とれいん」として走っている編成もありますが、8両の堂々たる編成はもう見ることも出来ません。
 今回はこの6300系にスポットを当て、同形式が特急運用から撤退する前後の時期の様子を綴ってみました。
 



    6300系について・・・                      
 
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▲「阪急100周年」のマークを付けた6352F。
 
 6300系は1975年から1978年にかけて8編成が製造され、それぞれ6350F~6357Fを名乗っています。いずれも4M4Tの8両編成で製造され、走り装置は5300系と同じです。

 
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▲先頭にパンタグラフをかざした6330F。
 
 さらに高槻市・茨木市の高架化工事の際に6330Fが1編成増発され、計9編成となりました。
 6330Fは先頭がモーター車であることが特徴で、走り装置は7300系と同じになるなど、他とはちょっと違う形態になっていました。

 
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▲「もみじ」のヘッドマークを付けた6356F。
 
 特急運用がメインの6300系は、よくヘッドマークがあがっていました。春のさくら・秋のもみじを始め、初詣や祇園祭など、年毎に変わるヘッドマークは見ごたえがありました(現在もこの慣例は続いています)。
 また、ラッピングも何度かなされており、6355F・6356Fは2002年頃に「紅葉」、6355Fは2003~2004年に「都市PR」、6330Fは2003年に「クリスマス」のラッピングがされていた例があります。いずれも先頭車のみのラッピングで、全車両に渡るラッピングは現在のところ「京とれいん」のみです。

 
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▲茨木市発河原町行き快速急行で運用中の6350F。
 
 メインは特急運用でしたが、特急以外の運用も入っていました。ラッシュ時の通勤特急を始め、特に早朝には茨木市発の快速急行や、桂~河原町間の普通運用が最後まで残っていました。
 2003年以前には全線の快速急行にも充当されており、2001年以前には急行や長岡天神発河原町行き普通にも定期的に充当されていました。
 
 
      後継9300系の登場~置き換えへ・・・      
 
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▲桂車庫で休車中の6355F。
 
 そんな6300系も、2001年のダイヤ改正による特急停車駅の増加、後継となる9300系の登場でそろそろ撤退の時期が近づいてきました。中でも早く運用を離れたのが6351F6356Fで、2007年に入ってから早速休車になっていました。休車になったものは桂車庫の端に「休車」札を挙げて停められている事が多かったです。

 
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▲2008年6月頃復活した6351F。
 
 二編成はかなり長期間休車状態でしたが、2008年初夏に突然6351Fが本線に復帰しました。しかしその一方で6356Fは正雀へ回送され、廃車になってしまいました。これが6300系初の廃車となりました。また51Fも復活期間は短く、またすぐに姿をくらませてしまいました。

 
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▲現在は「京とれいん」として走っている6354F。
 
 この時点で本線に残っているのは六編成となった同形式ですが、6355Fが休車になり、6353Fも正雀へ入場。53Fの方は廃車と思いきや、実は嵐山線への転用改造を受けていました。 
 
    嵐山線への転用・・・      
 
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▲嵐山線へ初入線した6300系は6355F。同編成にとっては最初で最後の入線だった。
 
 これまで2300系の天下だった嵐山線を、6300系で置き換える計画がなされ、それに先だって同形式の嵐山線への入線試験が2008年10月に行われました。それまで幕はあったものの両数の関係で入線できなかった同形式ですが、休車中の6355Fの4・5号車を抜いた6両編成が同線内を往復しました。この時社員の方が窓から支障物の確認をされておられました。
 なお55Fはこの後8連に戻って本線に復活しましたが、半年ほどでまた休車になっています。

 
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▲遂に4両化された6300系が登場。車内もリニューアルされた。
 
 2008年11月に改造工事を受けていた6353Fが4連になって出場。この後イベント列車にも使用され、いよいよ嵐山線転用が本格化していきます。

 
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▲嵐山線用になった6352Fの横を通り抜ける6350F特急。
 
 2009年に入ると2月に6351Fが、4月に6352Fがそれぞれ4連化され、同月より嵐山線の2300系を置き換えました。支線落ちという形になりましたが、これら3編成は現在も嵐山線で活躍中です。
 
    続く運用離脱・・・      
 
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▲最後の8連での検査出場となった6350F。
 
 嵐山線転用などでいよいよ雲行きが怪しくなってきましたが、そんな中2009年4月には6350Fが8連で検査を出場し、ピカピカの状態で本線に戻ってきました。6300系の本線撤退まですでに1年を切っていました。
 
 
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▲最後の夏、天神祭ヘッドマークを掲げて走る6350F。
 
 引退まで1年を切った6350Fでしたが、夏の「天神祭」のヘッドマークは付きました。これが最後の夏のヘッドマークとなりました。
 
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▲2009年7月に廃車回送された6355F。
 
 この時点で6300系は50F・54F・55F・57F・30Fの5編成が本線に残る形でしたが、夏頃から残りの編成の廃車が始まりました。嵐山線に初入線実績を持った6355Fも正雀へ回送されました。

 
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▲特徴的な6330Fも2009年9月に廃車回送。幕はなぜか「試運転」だった。
 
 特徴的な6330Fも、時折休車を繰り返しながら頑張っていましたが、秋に正雀送りにされました。現在は解体され、部品取りにされているようです。

 
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▲純粋な6300系最終増備車だった6357F。
 
 同年10月には6357Fも正雀へ。これで残る8連車は50F54Fの二編成となりました。
 
    2010年を迎えて~特急運用離脱へ・・・      
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▲2010年の寅年ヘッドマークを掲げて走る6350F。
 
 2009年末には54Fも休車、2010年を無事迎えたのは50Fただ一編成のみとなりました。それでも初詣のヘッドマークが掲出され、正月から特急運用に就いていました。
 しかしヘッドマーク掲出期間が終わると、54Fと同じく休車の道へ辿ることになりました(参考)。これにて本線を走る6300系は一旦無くなる形となりました。
 
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▲惜別ヘッドマークを掲げた6350F。
 
 やがて特急運用の正式離脱日が2/28と告げられ、24日より惜別ヘッドマークを掲げることが発表されました。

 
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▲地下駅大宮を通過する6350F。
 
 惜別マーク掲出期間を含む2/21~28の一週間の運用はホームページでも発表され、多くの方が撮影&お別れ乗車をされていました。余談ですがこのときまだ「京とれいん」に関する発表はありませんでした。
 
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▲最後の梅田行き特急(河原町17:30発)。
 
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▲最後の河原町行き特急(梅田18:20発)。
 
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▲河原町到着後の桂への回送。
 
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▲桂でスイッチバックし、車庫へ・・・。
 
 2/28の梅田18:20発特急第18014列車を以って6350Fが特急運用を離脱しました。ネットでもいくつかレポが見受けられますが、無事最後まで運転されました。最終回送が桂へ到着後は、6354F隣の休車定位置に留置され、この位置が陸橋から見やすい位置だったこともあり、車内灯が消えてパンタが降りても尚、撮影する方が多く居られました。
 
 
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▲2010年4月に行われた6350Fの正雀行き回送。廃車回送かと思いきや・・・。
 
 桂車庫に留置されていた50F54Fは、4月に正雀へ回送されました。結果的にこのときが同系8連の本線走行が見れる最後のシーンになりました。
 
    嵐山への臨時列車として本線に復活・・・     
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▲嵐山行き臨時快速特急として復活した6350F。
 
 ところが1ヶ月も経たないうちに、50Fが6連で本線に復帰しました。梅田~嵐山間の行楽臨時列車1往復の運用で、種別は懐かしの快速特急。時刻表にも久しぶりに「2ドア車両で運転」との表記が復活しました。
 
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▲2010年8月に突然日中の回送があった。
 
 そんな春季の臨時運用が終わって落ち着いた夏のある日、50Fの正雀から桂への回送がありました。
 
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▲20時ごろ、嵐山線内一往復の普通運用に就いた6350F。
 
 実はこの日は五山送り火の日で、嵐山線で臨時列車を運転するため、50Fが使用されたのでした。たった1往復の臨時列車でしたが、そのためにわざわざ50Fを呼び寄せるところが、何とも贅沢な感じがします。

 
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▲6連になったものの、多くの利用客があった臨時快特。
 
 快速特急は秋の行楽直通にも運用され、結果的に2シーズンの充当になりました(参考:こちらこちら)。
 この後、6350Fは正雀で休車となり、現在もまだ本線に出てきていません。
 
    「京とれいん」の登場・・・     
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▲2011年2月、試運転が行われた6354F。ラッピングは無く、車内も目張りされている。
 
 6350Fとほぼ同時期に正雀送りされた6354Fは、更新工事が行われていたようで、2011年冬に6連になって出てきました。その頃正式発表があり、同車は「京とれいん」として本線に復活することが発表されました。

 
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▲「京とれいん」が登場。代わりに6350Fは運用を離脱。
 
 京とれいんはジョイフルトレインのようなもので、今までの6300系とは一線を画する内装となり、編成全体にもラッピングがなされました。
 
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▲「京とれいん」使用の普通列車は2011年春のみの設定だった(間合い運用)。
 
 同車は2011年春季の臨時列車から運転を開始し(参考)、昨年までの50Fと同じ運用である、梅田~嵐山間の快速特急1往復に充当されました。

 
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▲2011年5月より河原町~梅田の快速特急に充当されるようになった「京とれいん」。
 
 土休日のダイヤ改正があり、1日4往復の梅田~河原町間の快速特急が同車により新規設定され、以降現在まで土休日に限りですが定期的に6300系の姿を本線で見ることが出来ます。この快速特急は観光列車のような位置づけとなっており、特別料金も不要と言うこともあって人気があります。
 
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▲6300系初の快速運用。幕は無いので臨時で代用。
 
 京とれいんは2011年秋より運用の無い平日を中心に貸切列車として走ることが増え、このときは嵐山線への再入線も行われています。また、扇形の専用ヘッドマークが付くようになりました。
 また、2012年夏には「京の七夕」というイベント関係で、1往復の臨時快速運用に就きました。運用の流れとしては定期快速特急4往復の運用が終わってから、臨時快速としてもう1往復する内容で、珍しいシーンが見られました。

    おわりに・・・      
 
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▲嵐山線では短くなったものの、三編成が活躍。
 
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▲土休日に運転される「京とれいん」は一編成のみ。
 
 以上、簡単に2007年辺りからの流れをまとめてみました。
 2013年3月現在、同系の状況は以下の通りとなっています。
 
6350F:正雀にて休車中。【6連】
6351F:嵐山線で運用中。【4連】
6352F:嵐山線で運用中。【4連】
6353F:嵐山線で運用中。【4連】
6354F:京とれいんとして運用中。【6連】
6355F:廃車済
6356F:廃車済
6357F:廃車済
6330F:廃車済
 
 特急の停車駅が増えてから、乗降に時間がかかる2扉車は淘汰する流れにありましたが、現在も走っている編成はそれらの短所を減らし、ゆとりのある移動空間を提供している点から考えても、まだしばらく活躍が続きそうです。阪急を代表する形式でもあった6300系には、今後も注目していきたいと思います。

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