国道1号線の高架橋の下にある道路。規則的に並んだ橋脚の向こうに踏切が見える。
ここは京阪石山坂本線の石山駅近く。踏切名もそこから採られている。
それにしても、この踏切はあまり見られない形状をしている。
一応、門型警報機の一種だろうが、関西に門型踏切は少ないうえ、他の一般的な門型踏切と比べてもこのタイプの踏切は多分他に無いのではないだろうか。
門柱は通常の警報機支柱と同じものが使われており、オーバーハング部の梁は無塗装の単管パイプのような部材である。クロスマークはその中央に1か所あるのみだが、手前の国道橋脚にも看板として付けられている。方向指示器は橋脚に隣接しており、手前側からは近くまで行かないと見えないことから、「線路の向こう側のものを見ること」を前提にしているようだ。
そのほかにも何やらごちゃごちゃ付いているが、両側にある電線ラックを兼ねた灰色の支柱は、急カーブ上にある架線のハンガーも兼ねている。
そしてこの警報灯。立体駐車場の中にある信号機のようだ。交通量もそれほど多くないためか、灯器径もあまり大きくない。ちなみに信号器材という会社の製作である。
この灯器が梁に前後2器ついており、踏切全体では計4器付けられている。それ以外に余計な灯器は付いていない。
遮断機は片遮断である(何故か自分は最初両遮断に見えた)。遮断長さが少しあるので、ワイヤーを張ることで撓みを防止している。
坂本方面行電車が通過中。橋脚間隔が狭いため結構圧迫感があるが、橋脚同士の間ではクルマの擦れ違いも一応可能である。ただ、通行するのは歩行者か自転車・バイクが多い。
踏切より石山寺方面を望む。奥の電車が停まっている場所が唐橋前駅である。ここから石山寺までは直線で、ちょうどこの踏切からカーブ開始という線形である。
こちらは坂本方面。こんな感じでS字カーブが続く。右側は平和堂で、踏切脇にも自転車置き場を設けた入口がある。
この写真は少し前の、警報機が電球灯器だった時代の写真。
電球灯器だった当時からこんな珍灯器だったので、LEDになった今でも基本的な雰囲気は変わっていない。ただしこの時はオーバーハング部の梁がわずかにアーチを描いており、黒染処理されていたので、少し手が込んでいた様子である。
現在の写真へ戻る。こちらは東から西を向いた写真である。橋脚に汽車タイプの標識も残っていた。
高架下という狭いスペースをうまく使った踏切であるといえるだろう。