金沢開業をもう間もなくに控えている北陸新幹線。延長される長野~金沢間でのトンネルの占める割合は44%になるとのことだが、今回紹介する物件はその中の一つ「高田トンネル」にある横坑の1つである。
高田トンネルは上越妙高~糸魚川間にある全長2,752mのトンネルで、上越妙高駅から金沢方面に向かって最初のトンネルとなる。距離的には大したことない長さであるが、実は北陸新幹線にとって重要な施設を抱えている。
ちなみにこのトンネルは、複数のトンネルとシェルターで繋がっているので、乗車している身分にとっては、めちゃくちゃ長いトンネルに錯覚するかもしれない。
写真は上越妙高駅にほど近い県道63号線。奥の高架が新幹線で、画面左が上越妙高駅の方向である。件の高田トンネルは画面右にある(…が、坑口の写真はない(ォィ
同じ場所から振り返った場面。県道の左手に新しい建物が見える。
新幹線の高架と絡めてみる。この建物はフェンスの掲示物などから北陸新幹線関係の建物とはわかるが、正式な名前は掲示されていない。
新幹線はすでにトンネルに入っている場所にこの建物はある。
カメラをちょっと右に振ると…。
お、わかりやすい横坑発見。
この場所は見ての通り高田トンネルにつながる横坑が置かれており、トンネル工事が行われたときに工事現場として使用されたこともある。
それにしても本線トンネルの坑口が近いのにこういった横坑が設けられているのは、この建物が重要な施設だからである。
この建物は「新高田き電区分所(以下新高田SP)」と呼ばれる電気関係の施設である。
北陸新幹線は50Hzと60Hzの周波数電源を切り替える場所が3か所設けられており、ひとつは既存開業区間の軽井沢~佐久平間(新軽井沢き電区分所。東京電力50Hz⇔中部電力60Hz)に、残り2つはこのたび開業する区間に存在する。
この新高田SPでは中部電力が供給する60Hzと、東北電力が供給する50Hzの異周波数区分が行われており、新幹線は走行中に周波数の切り替えを行う。
なお、もう一つはほど近い新糸魚川き電区分所にて、東北電力50Hz⇔北陸電力60Hzの切り替えが行われる。
この新高田SPでは中部電力が供給する60Hzと、東北電力が供給する50Hzの異周波数区分が行われており、新幹線は走行中に周波数の切り替えを行う。
なお、もう一つはほど近い新糸魚川き電区分所にて、東北電力50Hz⇔北陸電力60Hzの切り替えが行われる。
そんなわけで、ここ新高田SPは異周波数区分セクションとして重要な施設なので、坑口に近いにもかかわらず横坑が残され、本線への連絡坑となっているわけである。
なお、東北電力が供給する50Hzの電気はここから発生しているわけではなく、本線を2kmほど金沢方面に向かったところにある「新上越変電所」から送られている。この新上越変電所もトンネル区間の途中にあり、高田トンネルに斜坑(?)で連絡している。つまり高田トンネルには電源施設に通ずる連絡坑が2か所あることになる。
横坑は地面より少し高い。坑口上部は通風孔になっており、連絡通路が建屋に繋がっているのがわかる。
この横坑にも正式な名前があるのかもしれないが、わからなかった。
上越妙高駅をバックに通過する「妙高」号。この場所もすでに線路が切り替えられており、現在は新幹線駅に寄り添うようなルートになっている。