この記事は後編です。はじめに前編からお読みください。切替当日のレポからです。
【切替概要図】
さて、10月26日の早朝5時15分頃に変電所上手踏切にやって来た。既に高架の洛西口駅の照明は点いている。代わりに昨日まで使われていた上り仮駅ホームの照明は落とされている。なお、下り仮駅ホームは既に始発列車が出て行っているので、点灯済みである。
踏切の音が聞こえない静寂の中、VVVF音を響かせて8300系トップナンバーがやって来た。始発が通過する前の入線試験を兼ねた列車で、初めて高架線を走る列車でもある。
低速で勾配を上っていくので、開けた場所に絶え間ないVVVF音と空気バネの音が響き渡る。車内には何人もの作業員が乗車しており、確認作業に当たっていた。
高架ホームに停車した8300F。ドア試験を行っている。
なお、上り仮線を初めて走行した車両は9305Fであるが、いずれも幕は「回送」だった。
続行で上り始発列車(5:31発河原町行き)もやって来た。今度は低速ではなく勢いをつけて上り坂に挑む。
すぐ脇で上り始発列車とすれ違う下り普通。なお、上り始発普通は2315Fで、この下り普通は2325Fである。2300系ばかりだ。
また余談だが、上り仮線開通当時は上り始発は8両編成であったが、2011年5月改正より運用が変更され、現在は7両編成になっている。
さて、明るくなってから改めて沿線の様子を見ることにしよう。
川岡踏切からいつもの構図。上り線がちゃんと高架線に接続されている(当たり前だが)。
ズームしてみると線路がかなり畝っているように見えるが、実際ここには緩いS字カーブがあり、曲線標も設置されている(前編参照)。この曲線は高架化が完全完成しても残るのかが気になる。
高架橋を降りて7300系準急がやって来た。接続部のS字カーブ付近は相変わらずジョイントが並べられており、賑やかに音を立てて降りてくる。いずれロングレール化されるだろう。
また下り勾配の先に桂駅があるので、特急などはかなりスピードをつけて降りてくるのも迫力がある(当然高速パターンがあるので、オーバーランの危険は無いのだが)。
お役御免になった仮線用場内信号は横を向いており、奥には復活した。
詳しく言うと、この信号機達は仮線になる前の旧本線時代から設置されおり、仮線に移る時期あたりにこの場所に移設され少し使用されたのち、手前の(横を向いた)信号機新設により一時的に使用を中断していた。なのでおよそ2年弱ぶりの点灯となる。
ところで点灯している信号機の一番左の信号柱は相変わらず何に使うのか疑問である。
ぶつ切りされた上り仮線のレール。その先はバラストがこんもり盛られて、上り高架線を支えている。
川岡下三番踏切。上り列車が来なくなり、遮断時間も格段に少なくなった。桂寄りの川岡踏切は相変わらずなので、こちらを通る方が便利だ(個人的には信号をどうにかしてほしいが…)。
上り線が廃止された各踏切では、線路に柵が立てられている。
桂方面をズーム。上り仮線のレールの間に切断されたレールが置かれているのが見える。
こちらは東向日方面。上り線のレールは早くも錆び始めてきた。
高架線を走る上り特急。新鮮な光景だ。
進路予告器が付いた上り396信号も交代となり、上り仮線の信号は横を向けられている。LED灯器でまだ新しいので、どこかに流用されるのかもしれない。
上り高架線を走る京とれいん。沿線民も「上を走っとるわ」などと高架化されたことに驚いた様子だった。
仮線には2か所の仮設踏切があるが、これらは相変わらずである。ずっと下がっているので遮断棹がもう完全に撓っている。
物集女踏切にやって来た。渋滞のメッカと言われている(と思う)この踏切も、上り線が来なくなって遮断時間がめっきり減った。いずれ交通量にも変化があるだろう。
それでもやはりクルマが多い。高架橋が完全完成するとこのあたりも広くなるので、交差点の様子も変わることだろう。
踏切より桂方面。やはり柵が設置されているのが目立つ。
東向日方面。下り準急が洛西口で客扱い中だ。
新しい駅舎となった洛西口駅に入ってみる。入口は仮駅舎時代だった場所のすぐ横にある(当然河原町方面行限定の改札口である)。
改札の様子。写っていないが、左側にはラガールショップとコインロッカーがある。
改札機は3台だが、左側の白い壁が取り払われる頃には増えるかもしれない(ただの柵が現れそうな気もするが)。
完全完成まではしばらくこの白い壁で仕切られるのだろう。
奥はトイレで、画面外右側にエスカレータ・エレベータ・階段がある。
高架ホームはかなり見晴らしがよく、周りに高いビルも無いこともあって遠くまで見える。この方向にはいずれ下りホームが出来るので、開放感があるのも今のうちだ。
竹っぽさが薄れた感がある洛西口駅だが、駅名標は前のままで残ってくれたのはうれしい。まだ駅ナンバーは振られていない。
フルカラーLEDの発車標も稼働している。
高架駅ホームは府道201号線を跨ぐ位置にも設けられているので、このような光景も見られるようになった。奥には西山山系の小塩山がある。
河原町寄りホームの先頭にはわずかに延伸部があるような形態になっている。
なお、先頭車はこのあたりまで必ずやってくるので、7両編成の場合は梅田寄り1両分には停車しない(これは現在までずっと同様)。
ズームしてみる。下り線が高架化されたら多分有名撮影地になるのではないだろうか。地上線時代は建物の影がよく落ちていたが、高架になるとそれも無くなるだろう。
同じ場所から東を望む。奥に建設中の大きな建物があるが、あれはイオンモールである。あと1年で開業する予定で、そうなるとこのあたりの雰囲気は大きく変わると思われる。
高架駅のホームは狭いほうだが、乗降客数から見ても妥当な広さかと思われる。
階段やエスカレータのある場所では屋根がスケルトンになっており、光を取り入れるようになっている。
高架橋の軌道は起点・終点部を除いて弾性枕木直結軌道が使用されており、その中に消音バラストが敷かれている。このタイプの軌道は阪急では初採用で、全国的にも最近の高架線はこのタイプが多い。
ホーム梅田寄りから望む。結構な勾配である。
奥に下り仮線を走る特急が見える。
準急が近づいてきた。上り勾配の先に駅があるので、ブレーキ調整も難しそうだ。
なお、高架駅になってから接近放送が詳細タイプになっており、主要駅並みの案内が流れる。
客扱いする準急。前述のように、7両編成の場合は少し奥に停車する。
役目を終えた上り仮駅舎の様子。奥の改札機は撤去されているのがわかる。
東側から見た洛西口駅。下り線の高架駅は上り仮線を潰してから造り始めるので、しばらくはこういう感じの状態が続く。
変電所上手踏切。やはり1日で大きな変化は無い。
桂方面の様子。
梅田方面の様子。近いうちに上り仮線の撤去が始まるだろう。
こういう構図はやはり新鮮だ。上り勾配を駆け上がる特急。
最後の変電所前踏切。踏切施設は既に移設されているので、軌道の位置だけが変わった感じだ。
この通り綺麗に遷移している。桂側のような畝るような線形は無く、ジョイントもほとんどない。
信号機も少し位置が変わったが、役目交代となった(旧地上線の時代はさらに奥にあった)。「4」の看板も奥に移動している。
梅田方面の様子。見た感じ変わっていないように見えるが、線路の切替がここで行われており、バラストもちゃんと均されている。
ということで簡単にレポしました。
次回は多分上り仮線撤去後くらいにやりたいと思っております。