田んぼの真ん中にある交差点。何の変哲もない交差点に見える。
なんとこの交差点、「二塚踏切」という名前が付いている。周りに踏切らしきものが無いのにこの名称はどういうことか。
今回はこの珍しい名前の交差点を紹介しよう。
・・・などと思いながら、近づいてみると…
ここ、本当に踏切なのである。
従道側に平行して単線非電化の線路が横切っており、見事に踏切になっている。線路の目的地は奥の紅白煙突のある場所だ。
反対から望む。標識が立っていなければ直前まで踏切であることに気づかない。なぜなら踏切っぽい要素が全然見当たらないからだ。だいたいどの踏切にも存在するクロスマークはおろか、警報機・スピーカーの類も一切無い。
ここの信号は「踏切信号」とは書かかれていないが、実質的には踏切信号なので、どの車も一時停止せずに通過していく。
歩道に立っているこの看板が、ここが「二塚踏切」であることを示している。ここの路線はJR貨物が管轄する専用線で、荷主は記載のパルプ工場となっている。
線路側にはこういう装置がついている。左は反応灯(しかもLED)で、列車通過可能であれば白色に点灯する。奥のセンサーは列車の感知用である。
列車がやってきた。ここは定期列車が2往復設定されており、いずれも専属機関車(DB201)がコキ数両を牽いてやってくる。踏切手前には列車用の一旦停止標識と押しボタンがあり、これで道路側信号機を赤にしてから通過するのだが、コキを牽いている場合など一旦停車が億劫の場合(?)は、係員がやって来て通過前に信号制御をすることにより、列車は一旦停車をせずに通過する。
奥の工場についた後は荷物の積み替えを行って、復路の列車に備える。
ここの専用線はJR城端線二塚駅から延びており、延長は1.4km程度の短い専用線である。二塚駅ではDB機関車とJR貨物の機関車とのやり取りも行われており、そちらも見所になっている。
最後に遠景を。ここから反対側はしばらく線路と道路は並行する。
今回はこの専用線にあるもうひとつの踏切も紹介する。こちらもシンプル。
こちらが工場方面。奥で右カーブし、先ほどの二塚踏切へ繋がっている。
踏切脇は小さな橋になっており、下を水路が通る。
反対側から。第4種踏切のひとつだろうが、ここまでシンプルな踏切は初めてだ。
これでも1日2往復+αの定期列車が通るのにである。全国には年に数回列車通過があるかないかわからないのに設備が豪華な踏切や、廃止路線のはずなのにしっかり設備がある踏切があるのとは好対照だ。
専用線はこの先で右カーブし、城端線と合流して二塚駅に至る。
機関車の単行がやってきた。流石にここは第4種踏切であるためか、最徐行で通過していった。