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北神・新神戸トンネルのコンクリート投入口跡探索

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本レポートに関係のある過去の記事はこちら↓
奥笹谷斜坑
二軒茶屋斜坑




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 久々に神戸市交25系統に乗車した。新神戸トンネル有料道路や北神急行のトンネルの斜坑を探索してから早3年、同じ工事誌に載っていながら未探索の物件を探しに再び再度山ドライブウェイにやって来た。

 その物件とは、奥笹谷斜坑に付随する工区のコンクリート投入口である。同斜坑はトンネル本坑までが遠く、コンクリートを運搬するには時間がかかりすぎるため、別の場所に竪穴を掘ってそこからコンクリートを重力の力で垂直に落としこみ、トンネル工事に使用したのである。
 そういうわけなので投入口は必要最低限の竪穴とホッパくらいしか準備されていないことが多く、使用後は埋め戻されることが多い。そんなものを探して何になると言われそうだが、こういうのが気になる私なのだからしょうがない。
 幸い今回の2つの投入口は建設誌に詳しい位置が書いてあるので、それを頼りに散策がてら行って見ることにした。まずは北神トンネルから・・・。

北神トンネル第二工区の投入口

 北神急行の北神トンネルには計2箇所の投入口があるが、建設誌に詳しく載っているのは第二工区だけなので、そこだけ紹介させていただく。なおもうひとつの第三工区(二軒茶屋斜坑を持つ工区)にもあったが、場所が曖昧なので探索していない(県道16号線「西六甲ドライブウェイ」との交点付近らしい)。

イメージ 2

 さて、ここは「学習の森前」停留所。画面左奥から右に抜けている道が再度山ドライブウェイ(右が三宮側)、私の背後の道を辿ると二軒茶屋斜坑前に出る。
 今回の投入口に行くには正面右側の道を行く。クルマは入れないが、ハイカー(歩行者)ならば入ることが出来る。


イメージ 3

 上り坂を進むこと10分くらいで、サミットになる。ここから下りになるぞという、この場所が目的地となる。



イメージ 4

 道はこのまま下っていき、トゥエンティクロスという上級者登山道(?)に通じているようだ。目的地は右側である。


イメージ 5

 あえて通過して振り返って見る。枠で囲った部分がコンクリート投入設備があった場所で、ここは小さな広場になっている。


イメージ 6

 この場所には登山道の分岐点でもある(右が登山道・左が投入設備跡地)。


イメージ 7

 さて、設備跡地に足を踏み入れる。確かにやや広く、地面も平坦なのでそれらしき感じもする。
 しかし建設誌にも載っているが、投入設備跡地にはヒメヤシャブシ等が植林されて原状復帰が図られている。もうトンネル完成から数十年経っているわけで、このように元の森に戻ってしまったのは当然のことといえる。


イメージ 8

 地面の様子に気をつけながら歩いたが、特に人工物は見当たらない。コンクリートに似た砕石が転がっているので、紛らわしいと言えば紛らわしい。


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 結局この広場にあった人工物はこの溝だけだった。この溝は建設誌の設備配置図にも記載があり、この溝のおかげで投入口の位置も粗方分かる。


イメージ 10

 溝の前から振り返る。青枠の場所に通ってきた道路があり、カメラの方角は北東である。
 そしておそらく投入口は橙枠のあたりにあったはず・・・。


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 しかし残念ながら何も残っていない。植林したということは土で埋め戻したことは確実なので、たとえ落ち葉を払っても何も出てこないだろう。
 なお、投入口はΦ250mm・深さ282mで、坑底には本坑とを結ぶ横坑があった。


イメージ 12

 ここからは余談だが、投入設備のあった場所のサミットのすぐ直上に、神戸市水道局修法ヶ原浄水場がある。


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 ・・・ってここ、廃墟じゃねーの?
 全く機械音も水音もしないし、施設も寂れている。唯一新しそうな設備は、すぐ脇に立っている土砂災害テレメータ装置だけだった。
 コンクリート投入設備を使用していた時代は現役だったのだろうか。


新神戸トンネル奥笹谷工区の投入口


 新神戸トンネルの投入口は北神のそれとは離れており、再度山ドライブウェイ沿いにあった。

イメージ 14

 学習の森前停留所から少し三宮方面に戻ると、このようなカーブが現れる。同ドライブウェイは三宮側からカーブNo.が振られているが、ここのカーブはNo.62だった。
 目的地はインカーブである枠内となっている。



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 ここも道路に囲まれているが平地となっている(左上奥が三宮方面)。
 そして「あるもの」が奥に存在しないことに気づいた。


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 この場所には詰所小屋があったはずだが、撤去されている。・・・というのは、Googleのストリートビューでは確かにここに小屋が写っているからだ。つまり数年以内に撤去されたと思われる。悔しいが来るのが遅すぎた。
 ここにあったはずの詰所は、コンクリート投入設備関係の建物であった可能性が高く、建設誌にも図示されていることから、貴重な存在かと思っていたのだが、残念至極。


イメージ 17

 振り返る。カーブを描く道路が見える。この平地も植林されているようだ。


イメージ 18

 そしてここで見つけた人工物はこの標。


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 側面に何か刻まれていたようだが、判別不能のため、トンネル工事関係であるかもはっきりしない。


イメージ 20

 そして建設誌から読み解く投入口は、おそらく橙枠のあたりか、その後ろの木々のあたりとなる。青枠が小屋跡となる。


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 枠付近を撮影して見たが、やはり何も無い。左の物体は何度も騙されかけたが、ただの木の切断面である。


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 ドライブウェイ側より撮影。ここの投入口は詰所の隣に櫓のようなのが組まれていたようだ。



イメージ 23

 もう少し引いて見る。現場は標識の左下あたり。
 
 結局残念ながら、2つのコンクリート投入口は跡形も無く消え去っていたが、その場所は平地になっていたので、設備があった雰囲気は掴めたと思う。



 本日もう1件探索しているが、それは続きで。

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